haisai55の日記

日々感じている事を書きます

最近読んだ本について

こんにちは。

 

今回は昔読んだ、注文の多い料理店という本について書いていきたいと思います。

 

 私がこの本を初めて読んだのは、小学生の頃でした。当時は、注文の多い料理店という題名を見ても内容を聞いてもよく分かりませんでした。国語の本で読む機会があり、読者感想文などにも使われていましたが、正直あまり内容ははっきりと理解できませんでした。

それは、死んだはずの犬が生き返ったり、レストランがいきなり消えたりとよく分からないことがたくさん起こるからです。なので宮沢賢治の課題が出された時、私はもう一度この本を読んでみようと思いました。
2人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、という風にはじまるこの物語は、若い2人の紳士が白熊のような犬を2匹連れて獲物を狩るために山奥までやってきたという物語だ。しかし、獲物がまったく狩れず歩き続けていると2匹の犬がいきなり倒れて死んでしまう。そして、道に迷った若い紳士2人は帰ることにしたが、困ったことにどこへ戻れば帰れるのか見当がつかなくなってしまったのだ。

 

2人がお腹を空かせて道に迷っていると、そこに、西洋料理店という看板を見つけた。2人は喜んで店の中へ入っていきましたが、その店は化け猫によって作られた料理店で、料理が食べられるのではなく、自分達が化け猫の指示により味付けされていき調理されていく場所でした。しかし、2人の紳士はよっぽどお腹が空いていたのか、どんな事を言われてもその指示通りに従っていき、ぎりぎりで気づいたがもう遅く、戻れなくなっていた。しかしそこに、あの2匹の犬がやってきて2人の紳士を助けたのだ。そしてその料理店は消えて2人はそのまま助かったという物語になっている。

 

この物語を読み終えて思ったのは、生き物に対する2人の紳士の行動を見ていた誰かが、罰を与えたんだと私は思いました。

私は、彼らが狩りをしに来たのではなく、ただ動物を殺しに来たのだと思い恐ろしくなりました。また、途中で死んだ犬に対して、「二千四百円の損害だ」と命の重さよりもお金の価値で判断していた。そんな考えを持った2人だからこそこういうような不思議な出来事が起きたのかなと思いました。そして次に感じたことは、人は本当に怖い生き物なんだなということです。2人の紳士は道に迷い何も食べずにいたため、お腹には何も入っておらずお腹が空いている状態だった。そんな時に目の前にあった料理店という看板だけをみて、ご飯が食べたいということで頭がいっぱいだった2人は、なにも怪しまずに中へと入っていった。

 

人というのは、自分の欲求が1つでも極端に欠けているとその事しか考えられなくなるんだろうなと思い、人というのは簡単に騙さられるんだなと感じました。これは私にもよくあることで学校の授業中に眠たくなったら少しは我慢するが、限界までいくと我慢できなくなり寝てしまう。それはまさに紳士2人が空腹に我慢できずに料理店に入っていったのと同じ事だと思います。また、私が思うにこの2人の紳士はお金には困っていなかったと思う。物語が書かれた時代からしたら、それらのものはね段が高くてお金持ちしか買えないはずだ。自分がお金をかけてやっているのに、得たいものが得られないため、イライラしているのだ。これらのことから、お金をつぎこめば自分にとって良いことが起こらないとおかしいと、この人たちは考えているのだと思った。だから、料理店で注文をたくさんされても、

 

「自分たちはお金をはらうのだから良いことが起こるにちがいない」

 

と考えて、勝手に自分たちが美味しいものを食べられるとかんちがいしたのだ。そして、この料理店のオーナーは、この人たちが勝手に都合の良い考えをすることを分かっていてやっているのだと考えたら、ぞっとした。


「お金を払ったら必ず自分にとって良いことが起こる」

 

この考えはわたしも意識しないうちにしみついているのではないかと思った。わたしはふだん、よく考えないでものを買う。「これはあなたのためになります」と言われたら「なるほど」と思い「買ってみようかな」と思う。都合の良い考えをついついしてしまう。でも、この本を読んで、なぜその人はわたしにそうしてほしいのか、その物やサービスを買ってほしいのか、それを買ったらどうなるかを考えないと、騙される日が来るのではないかと思った。物やサービスは、人を幸せにするためにあるものだから、この物語みたいに客を不幸にするためにあるのはびっくりしたけれど、テレビやネットでの詐欺やだましのニュースを思い出したら、こういう例もあることに納得した。